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ピアス


部活の後輩にもらったのだと言う布張りの小箱に包まれたピアスは、銀の球型でよく見るとボールみたいな模様が細かく彫ってあり、なるほど小平太によく似合うと伊作は思った

「いいのもらったじゃない」
「そうかなあ」
小平太は困った様子だ
「これ高いよ、銀本物だし」
「えーそうなの、どうしよういさっくん」
「どうって、つけたらいいじゃん」
えーだって、と頬をぷくりと膨らませ小平太は身体を揺する。何が不満なのかと伊作が首を傾げる。そこに長次がのそりとやってきた
また図書室にいたのだろう、手に数冊の分厚い本を抱えて

二人をチラリと見てから長次は黙って小平太の隣に座る
「あ、長次!」
途端にコロリと表情を明るくしてしがみつく小平太、それを平然と受け止める長次
全くこの二人ときたら見ていて歯が浮くくらいに甘い
「長次ー私ピアスあけていい?」
そうかピアスの穴ひとつにも恋人の許可がいるわけか、先ほどの彼の態度の理由がわかり伊作は苦笑した

「…駄目」
間もあけず長次が即答すると小平太も当然のように
「だめだって」
と伊作に言いピアスの小箱を差し出した
「マジで僕がもらっていいの?」
「いいよー、つけないもん」
ね、と同意を求めるよに長次に笑いかけると彼も頷く

「まあじゃあ遠慮なく」
「おう、もらっとけもらっとけ!」
ワハハと笑う小平太のすぐ横の長次はふと、彼の耳元で何か囁いた
小平太の頬は赤くなる

「…もう、長次ムッツリスケベ!」
「しらん」

「・・・」
イチャイチャ始める二人を傍目にし、伊作はどこか遠い目をして自分の耳の良さを少しばかり恨んだ


(お前の穴は、ひとつあればいい)






end






【ピアス】
下ネタ\(^^)/
一応こへにょた設定で!


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